バイトを風邪などで初めて休んだ時に、診断書が必要になるのか分からないですよね。
しかし、良く考えてみると、社員ではないのに診断書を求められるのってあり得るのか?と思われるかもしれません。
では、実際にバイトを休む時は診断書が必要となるのでしょうか?
ここでは診断書が必要なケースや求められる理由、そして診断書を求められた場合の対処法をご紹介します。
基本的に病院の診断書はどんな時に必要?
前提として、病院の診断書とは「ある人の病名や病状を医者が公的に証明する書類」のことです。
例えば、保険金の受け取りのために保険会社へ提出したり、公的な福祉制度の利用のために自治体窓口に持参したりする為に必要な書類となります。
簡単に説明すれば、自身が病気であることの証明をしたい場合に必要とする書類という訳です。
病院の診断書は病歴というプライベートな情報を扱う関係から、通常は個人情報保護法における「要配慮個人情報」の一種として守られます。
とても大切な書類であり、本来は少しバイトを休む程度で提出しなければならない文書ではありません。
よって、バイト先から診断書の提出を求められる、ということは稀であり、1日休むだけではまず提出を求められるようなことはありません。
バイトを休むのに病院の診断書が必要というケースは、一部を除きほとんどないでしょう。
診断書の発行は無料ではない
病院の診断書の発行には所定の費用もかかります。料金は各病院により異なりますが、通常は2000円~3000円ほど。
内容が詳細な診断書の場合、1万円近くの費用がかかってしまうこともあるため、可能であれば発行せずに済ませたいところです。
また、診断書の発行は会社側の負担ではなく、自費となるケースがほとんどです。
よって自己負担となり、バイトをそこまで入っていない方にとっては、かなりの痛手となるでしょう。
バイトを休む時に病院の診断書の提出を拒否できる?
通常、バイトを休んだ際の診断書の提出は、ずばり義務ではなく拒否できます。
しかし、以下の場合は例外的に診断書の提出が必要となる可能性がありますので、絶対に拒否できる訳ではありませんので気を付けましょう。
就労規則で定められている場合
会社の就労規則に、従業員へ診断書の提出を要求できる項目が記載されている場合、残念ながらバイトであっても提出義務が発生します。
特に、診断書を拒否した場合の懲戒処分(解雇など)の内容も明記されているのであれば、それに応じた処分を科せられるリスクがあります。
よって、診断書の提出を拒否した場合は、バイトをクビになる可能性もあるのです。
休職や配置替えなどを希望する場合
就労規則に記載がない場合でも、休職や配置替えといった「病気を理由とする何かしらの措置や配慮」を希望する際には、診断書の提出が必須になり得ます。
これは休職や配置換えなどを希望しても、診断書がなければ取り合ってもらえないことも多いためです。
真剣に話し合いを進めるために、診断書の提出が事実上の義務となり得ます。
コロナなど感染症の場合
なお、新型コロナウイルスなどの感染症の場合も、就労規則次第で証明書の提出が義務となり得ます。
またそもそも「他の従業員や顧客の安全を確保するために」と診断書を求められた際には、拒否できる正当な理由がないと法的にも判断されるかも知れません。
たとえば「従業員が感染症にかかったのなら、店内を消毒・清掃しなければならないから証明書を出して」などと依頼された場合、拒否することは大変です。
本当に感染症にかかってバイトを休んだ場合は、無用なリスクを避けるために証明書を提出する方が良いでしょう。
バイトで病院の診断書を求められる理由とは?
では、そもそもバイト先が診断書を求める理由には何があるのでしょうか?ここでは一般的な理由を3つご紹介します。
従業員や顧客の安全の為
前述の通り、あなたが誰かにうつる病気にかかった際には、バイト先はほかの従業員や顧客を守るために行動します。
特に、バイト先が飲食店や介護施設などであれば、病気の種類によっては保健所等に申し出ることが義務となるケースもあります。
感染症が疑われる場合に診断書を求めるのは当然の動きです。
手当の支給のため
バイト先は福利厚生の手続きを進めるために、診断書を求めることもあります。
たとえば、アルバイトであっても社会保険に加入している場合は「傷病手当金」などの病気や怪我を理由とする手当金を受け取れる可能性があります。
また、病気や怪我の内容が労災に当たるものの場合、別途企業と話し合いを進めることも考えられ、その際には診断書の内容が大きな意味合いを持ちます。
ずる休みを調べる為
そのほか、身近でもっともありがちな理由が、バイトのずる休みを調べるためです。
急な欠勤を何度も繰り返すなど勤務態度に問題がある時、バイト先は診断書を求めることがあります。
この場合、本当に診断書を提出してほしいというよりは「ずる休みをしているのはわかっているから、そろそろしっかりしなさい」といったメッセージであることも。
素直に勤務態度をあらためれば、大事にはならないケースも多いものです。
診断書の提出をしたくない場合の対処法
病院の診断書といっても高いので、誰でも提出をしなくないですよね。
またそもそも、診断書を書いて貰うために病院へ行かなくてはいけないので、手間もかかります。
では、バイト先から診断書が必要だといわれてしまった時は、どうすれば良いのでしょうか?大きく3つの対処法が考えられます。
病院に行ったが診断書を取れなかったと説明
病状が軽く「これなら必要ないよ」と医者が診断書を書いてくれなかった、と説明する手です。
ずる休みをしてほしくない、という警告の意味で診断書の提出を求められた場合、あわせて「今度から体調管理に気を付けます」と一言謝罪するだけで、許してもらえる可能性は十分にあります。
病院に行っていないと伝える
休む場合、そもそも病院に行っておらず、ロキソニンなどの市販薬を飲んで対処したと説明する手です。
この方法であれば、診断書がなくても不自然ではありません。
但し、あまり多用すると「次は必ず病院に行って診断書を出すように」と強く求められてしまうため気を付けましょう。
提出は義務ではないと拒否する
就業規則を確認したうえで、診断書の提出を拒否する手です。
前述の通り、バイトを休む際の診断書の提出は、基本的に義務ではありません。
就業規則に記載がなければ、提出する必要はないのです。
ただし、診断書の提出を拒否すれば、バイト先での人間関係は悪化してしまいがちです。
今後、バイトを辞める覚悟がある方のみ実行しましょう。
最悪、バイトを辞める
普通、風邪などで休んだ際に診断書の提出を求められることは一般的ではありません。
なのでバイト先に不信感を抱く方もいるでしょう。
もし上司との間でこの問題について意見の相違があった場合、辞めてしまうことも考えておくといいでしょう。
基本、バイトは毎日あらゆる業界より募集がありますので、特別な理由がない限り、新しい職を見つけることは比較的容易です。
但し、辞める前に可能であれば直接話し合いを持つことをお勧めします。
対話を通じて誤解を解消し、互いに納得のいく結論を出すことが重要です。
第三者が勝手に診断書を取ることはできない
ちなみに豆知識として、バイト先などの第三者があなたの許可なく診断書を勝手に取ることはできません。
これは日本医師会のページで、診断書の発行を拒否する正当な事由として紹介されています。
すなわち「病院にこちらから連絡する」といった脅しは気にしなくても大丈夫です。
バイトで病院の診断書は休む場合に必要のまとめ
この記事では、バイトの休みと病院の診断書について詳しく解説しました。
就業規則や病気の内容にもよりますが、バイトを休む際に診断書を提出する義務は基本的にありません。
しかし、病院の診断書を提出しなければならないケースもあるので、全てのバイトにおいて診断書が必要ない、という訳ではありません。
また、いたずらに診断書を拒否すれば、バイト先での人間関係は壊れてしまう可能性もあります。
特に問題がなければ、義務でなくても診断書を提出した方がいいのですが、診断書を出さずにこのまま働き続けたい場合は「病院に行かず、薬を飲んで寝ていました」などと説明するのが良いでしょう。