バイトをしていると、一般的にはバイト代を振込する際の口座情報が必要になってきます。
しかし「ゆうちょ銀行」の口座にバイト代を振込できない会社が多い、という話を良く耳にします。
ゆうちょ銀行は銀行の中でも大手ですが、ではなぜバイト代の口座に指定できないのでしょうか?
この記事では、ゆうちょ銀行に振り込み指定ができない理由について詳しく解説致します。
バイト代をゆうちょ銀行に指定できない理由とは?
そもそも、本当にバイト代をゆうちょ銀行に振り込みしてくれない企業が多いのか?という疑問があるでしょう。
実は昔では本当の話で、振り込み先として指定できないケースが多くありました。
しかし、近年ではゆうちょ銀行も多くの改革を進めており、他の商業銀行との連携やサービスの拡充を行っています。
そのため、バイト代の振込に関しても制約が少なくなってきており、昔と今では状況が異なります。
今では、昔のようにゆうちょ銀行は不可、ということは少なくなってきております。
昔というのは「日本郵政」時代のことで、以前は他の多くの商業銀行とは異なる経緯と特性を持っていました。
その為、バイト代の振込に関して、ゆうちょ銀行を利用できない場合がある背景には、以下のような理由があります。
システムの違い
一番の理由がシステムの違いです。ゆうちょ銀行は、他の商業銀行とは異なるシステムを使用していました。
これは、ゆうちょ銀行が郵便局のネットワークを基盤としているためです。
このため、他の銀行との相互の取引が難しく、過去には振込の手続きが複雑であったりすることがありました。
ゆうちょ銀行用の振り込みデータを作成しなくてはいけない時代があった為、これにより、一部の企業や組織がゆうちょ銀行を避ける傾向がありました。
法的な背景
2007年に日本郵政公社から分離・民営化されるまで、国が100%出資する公的な機関でした。
主に貯金と為替のサービスに限定されており、通常の銀行が行うような融資や投資などの業務は制限されていたため、金融サービスの範囲が狭かったです。
このため、他の商業銀行とは異なる法的な制約が存在しており、バイト代の振込先としての利用を避けていた、というケースも考えられます。
単純に使いたくない
上述したシステムの違いと似ていますが、振り込みの際の操作方法などがややこしく、使いづらいので避けている経営者存在します。
もしくは、個人的にゆうちょ銀行が好きではない、以前に何かしらトラブルに遭った、という理由で使っていないケースもあります。
また過去には、ゆうちょ銀行と他の商業銀行との間での振込手数料が比較的高かったことがありました。
特に、企業が多数の従業員に給与を振り込む場合、手数料の差が大きなコストとなる可能性があります。
バイト代の振り込みにゆうちょ銀行が使えない場合の対処法
給料の受け取りに関してゆうちょ銀行が利用できない場合、以下の対応策を考えることができます。
別の銀行口座を開設
これが最も一般的な方法です。多くの銀行が学生や若者向けの口座を提供しており、ゆうちょ銀行以外の口座を持っていない場合でも、銀行口座を開設するのは意外と簡単です。
銀行口座を開設する際は、まずどの銀行にするか決めましょう。
決め方として、まず前提としてはバイト先がバイト代の振り込みに対応している銀行口座を作ることが重要です。
もし対応していない銀行口座を作ると、再度新たな銀行口座を開設する手間が増えてしまいます。
また、ゆうちょ銀行以外だったらどこでも良いという場合、おすすめなのは、あなたの生活スタイルや利便性を考慮して行うのが良いでしょう。
例えば自宅や職場、学校の近くにある銀行、ATMの利用手数料が低い銀行、オンラインバンキングの機能が充実している銀行など、自分のニーズに合った銀行を選びます。
手渡しで受け取る
バイト先に直接給料を手渡しで受け取るように交渉することです。
しかし、一般的なバイトでは対応していない場合が多いです。
短期間のバイトや小規模な職場では比較的受け入れられやすい方法ですので、もし個人経営のお店などでバイトをした時などに有効です。
交渉の際には、まずは自分の状況を説明しましょう。
例えば「現在使える銀行口座がなく、新しく口座を開設するまでの間、手渡しでの給料受け取りをお願いできないか」と伝えます。
この時、可能な限り具体的に状況を説明し、理解を求める態度が大切です。
しかし、会社側にも給料の支払い方法に関するルールがあるため、必ずしも要望が受け入れられるとは限りません。
そのため、交渉の際には柔軟な姿勢を持ち、もし断られた場合は他の方法を検討する準備も必要です。
給料の手渡しを受け入れてもらえた場合、給料日に直接現金を受け取ることになります。
この際、受け取った金額を確認し、必要に応じて受領書にサインすることがあります。
また、現金の管理には特に注意が必要です。
紛失や盗難のリスクを避けるためにも、受け取ったお金は早めに自宅や自分の口座に安全に保管しましょう。
最終的には、バイト先の方針や自分の状況に応じて、最適な方法を選択することが重要です。
親の銀行口座は使えないので注意
労働基準法第24条において、原則、賃金は従業員本人に直接手渡ししなければならないとの記載があります。
よって、バイト代を親の銀行口座で受け取ることは、基本的には違反にあたります。
賃金は「直接労働者に」支払われるべきであり、他人の口座への振込みはこの原則に反するからです。
この規定の背景には、賃金が安全かつ確実に労働者本人の手に渡ることを保証する意図があります。
他人の口座への振込みでは、労働者が賃金を完全に管理することができない可能性があるため、このような制約が設けられているのです。
事情により銀行口座を作れない場合
例えば、時間がなくてなかなか銀行口座を開設できないなどの事情がある方もいるでしょう。
このような場合、本人ではなくても親など身内の方が代理で銀行口座を開設することが可能な銀行もあります。
意外と多くありますが、代理で口座を開設する人は口座所有者と同じ住所に住み、同じ姓を持つ必要があります。
他にも、口座所有者への電話確認や書面による認証が求められる場合もあります。
但し、一部の銀行は本人が来店しないと口座開設ができない銀行もあるので、詳しくは口座開設をしたいと考えている銀行のホームページなどを確認することが重要です。
バイト代の受け取りで口座を作る時、おすすめの銀行は?
バイトの給料を受け取る場合、上述しましたがバイト先が振り込みに対応している銀行口座を作ることが大事です。
しかし、最近は「どんな銀行でも良い」というケースが増えてきていますので、このような場合は「自分に合う銀行口座を作る」というのがおすすめとなります。
その他のポイントとしては、手数料が安いかというのがあります。
一部の銀行では、ATMの利用手数料が無料であったり、特定の時間帯や日にちに無料であることがあります。
また、学生向けの特典として手数料が無料になる銀行もあります。そして利便性も重要です。
ATMの設置場所や営業時間、ネットバンキングの使いやすさなど、日常生活に合わせて選ぶと良いでしょう。
以上のようなこと考慮すると、おすすめの銀行としては「三菱UFJ銀行」や「三井住友銀行」などがあります。
またネット系の銀行では「楽天銀行」や「paypay銀行」などが有名です。
これら2つの銀行はオンライン銀行であり、24時間365日のサービスや低い手数料が魅力でおすすめです。
銀行口座は誰でも簡単に作れる?
銀行口座を開設する方法は難しいことではありません。基本的な作り方を以下に簡潔にまとめます。
1.銀行の選択
まず、バイト先が振り込みに対応している銀行口座を開設します。
バイトの採用が決まってから、振り込み口座について聞くといいでしょう。
2.必要な書類の準備
- 身分証明書(運転免許証、健康保険証、パスポートなど)
- 住民票や印鑑(一部の銀行や口座種別によっては必要)
準備するものについては、口座開設する銀行のホームページで確認するか、もしくは一度支店に行き必要なものを聞くといいでしょう。
3.申込書の記入
選んだ銀行の支店を訪れ、口座開設の窓口へ行き申込書の記入をします。
名前、住所、生年月日、連絡先など必要事項を記入します。
また、銀行口座の種類は普通預金口座、当座預金口座など複数の口座がありますが、基本的にバイト代の受け取りは普通預金口座で作るといいでしょう。
4.通帳とキャッシュカードの受取
口座開設が完了すると、通帳とキャッシュカードが発行されます。
キャッシュカードの暗証番号も設定します。
以上が一般的な銀行口座開設の流れとなり、問題がなければ申し込みをしたその日に口座開設ができるので時間もかかりません。
バイト代をゆうちょ銀行の口座に指定できないのまとめ
バイト代をゆうちょ銀行へ振り込みできない理由について解説しました。
民営化されてからかなり改善され、2024年07月現在ではゆうちょ銀行も対応している場合が多くなってきています。
但し、まだ一部のバイト先はゆうちょ銀行が無理だったりする場合もあるので、もし振込先に指定できないのであれば、新たに銀行口座を作るといいでしょう。
給料を手渡しにしてもらえるように交渉することもできるかもしれませんが、大手企業のようなバイト先では厳しいです。
またバイト代を親の口座など、自分名義以外の口座に振り込みすることは出来ないので気を付けましょう。